この記事では、農業で活躍する女性に焦点を当ててご紹介します。
今回は、株式会社NADA 代表取締役の大岩楓さんにお話を伺いました。
今年から新体制を迎え、父・大岩康久さんから柑橘農園を継承して経営をスタート。生活の変化や、女性や新規就農者が働きやすい環境づくりへの取り組みについてお答えいただきました。
農園を受け継いだ今の心境
ーインタビュアー:
農業を継いで、今の率直なお気持ちを聞かせてください。
ー大岩さん:
農家で育ったので、農業のたのしさや苦労、そのやりがいというものはこれまでも感じていました。実際に農業に携わってからは、特に自然を相手にすることの大変さをひしひしと感じています。また、経営者という立場なので、従業員やパートさんの生活を守らなければいけないというプレッシャーもありますね。
ーインタビュアー:
生活にはどのような変化がありましたか?
ー大岩さん:
前職では中学校の教員をしていて、子育てにもう少し時間をかけたいという思いがありました。今は比較的時間の調整ができるので、小さい子どもや家族との時間が増えたので嬉しいですね。大自然に囲まれて仕事をしているので、ストレスが軽減されたような気もしています(笑)
安心して働ける柑橘農園へ
ーインタビュアー:
働きやすい環境づくりのために、取り組んだことを教えていただけますか。
ー大岩さん:
メインで育てているナダオレンジは、背が高くて3階建ての家くらいの高さがありました。作業中のけがが危なかったので、枝の高さを3m~3.5mまでカットして、収穫しやすいよう低い枝に実をならせるようにしました。また、木の間隔をあけて作業しやすくするなど、収穫量は減りましたが、安心して働ける環境ができて良かったと思います。
他にも、自動選果機を導入して、ベテランしかできなかった柑橘のランク分けやサイズ分けを機械でできるようにしました。
結果、女性やアルバイトの人に任せられる作業が増えて効率的になりました。
観光農園事業 クダモノガリプラスをスタート
ーインタビュアー:
観光客が来ても受け入れられる安全な農園となり、観光農園事業も始められたと伺いました。
ー大岩さん:
愛媛県の「トライアングルエヒメ」(デジタル実装加速化プロジェクト)の一環で、ノウタスさんと一緒に果物狩りをスタートしました。収穫体験だけでなく、宇和海の絶景も楽しんでいただけます!
ーインタビュアー:
普段見れない景色を眺めながらの収穫は魅力的ですね!このような取り組みに至った経緯が気になります。
ー大岩さん:
紹介を通じてノウタス高橋さんと父が出会って、ふたりが同じビジョンを持っていたようですね(笑)
農業という選択肢を
ーインタビュアー:
今後、農業を通じて叶えたいことは何でしょうか。
ー大岩さん:
実際に私の地元でも、田舎には働く場所がない、未来がないような気がする、といった理由で若い人が都市部へ出て行ってしまうんですけど、地方での生活にも夢と希望を持ってくれる人が増えればいいなと思いますし、そのような発信ができればと思います。
脱サラで農業に飛び込むことは難しくても、例えばテレノーカーのような、”今の仕事”と”やってみたいこと”を両立する働き方もあるので、ぜひ農業という選択肢を持つ人が増えていってほしいなと思います。
ーインタビュアー:
最後に、農業に興味がある人、就農を考えている女性へメッセージをお願いします。
ー大岩さん:
女性は結婚、出産、子育てとライフステージにおける環境の変化が大きいですが、農業は自分らしく充実した生活を送ることができる選択の一つだと感じています。
ぜひ一緒に農業を通して、人生を楽しみましょう!
ーインタビュアー:
インタビューは以上となります。ご協力いただきありがとうございました!
今回は株式会社NADAで柑橘農園を経営する大岩楓さんにお話を伺いました。
女性目線での農業の魅力や、安心して作業できる環境づくりへの工夫を聞かせていただきました。変化した生活を楽しんでいらっしゃる大岩さんの姿からは、農業での女性の活躍の可能性を感じました。
これからも活躍する女性就農者にスポットを当て、その魅力と挑戦をお届けしていきます。次回の配信も楽しみにお待ちください。